Schneider Kreuznach, Apo-Digitar 4.5/90


典型的なオルソメタータイプ。デジタル用レンズとしてはかなり初期にリリースされた。公称イメージサークルは92mm(F11)。F11以外でもほぼ92mmでアナウンスされている。実際に結像する範囲は140mm程度あり端まで破綻しない。恐らくデジタルバック用にイメージサークルをかなり厳しくとっているのだと思う。

実態はApo-Componon HMだとの説もある。Apo-Componon HMの紹介を見てもApo-Componon HM 4.5/90と同じように見える。また実際にシャッターに組み込んで売られたApo-Componon HMも存在する。ほぼ同じ外観のまま銘のみがApo-Digitarに変更されて売られている。Digitarの中にはフィルムレンズからの流用が少なからず見られる。Digitar 5.6/47=Super Angulon 5.6/47(MC)だったりもする*1

さて、あまり見ないレンズですね。ちなみに僕はPhase Oneなどのデジタルバックは持っていない(買えない)ので中判ビューカメラとフィルムで使用した感想です。*2

とにかくシャープ。色味も普通な現代レンズです。特筆すべきはその解像力でしょう。さすがに高解像を謳っている、HM=High Modulationという名を冠しているシリーズなだけあります。

Pro400を使って6×8で。カメラはSW23です。SW23は広角専用カメラですが、90mmなら接写にも問題なく使えます。もうちょっと蛇腹を伸ばしたくなったらエクステンションバックがあるのでそれを使えばいい。そこそこアオリをきかせています。もう一段半絞った方が良かったかな。フィルムをスキャンした画像です。スキャナはエプソンのGT-X970です。
ちなみにこのサボテンはかれこれ7, 8年は育てているものです。引越しの際も毎回いっしょに連れてきました。買った時に比べかなり大きくなったのだけど、花は一度も咲かせたことがありません。楽しみにしているのですが・・・ちなみに詳しい名称などはまったく知りません。誰か知ってたら教えて下さい。金晃丸でしょうか。


中距離での撮影はこんな感じです。6×8判の縦位置で2cmほどライズしているのでイメージサークルがギリギリです。ていうか上の両隅は微妙に切れているかな。ハレ切りをきちんとしなかったらちょっとハレっぽくなっていますね。画面からギリギリ外れた左側に自販機があってその光の影響をモロに受けています。

*1:47XLじゃなくて47MCでDigitarとしたあたり、イメージサークル以外はMCの方が優れているとのシュナイダー自身の評価があるように思われる。なおシュナイダー社からの公式発表ではそのようには言ったことはないと思うけれど、構成図やその他の諸元を見るとDigitar 5.6/47とSuper Angulon 5.6/47は同じものにしか思えない。

*2:僕はフィルムで自家手焼きをやっているけれど将来的なデジタル移行も意識しないではない。ただしそのためには6×6判程度はカバーし、Foveonのような質感のある描写をできるデジタルバックがリーズナブルな価格で買えるようになることが条件。夜景を撮ることが多いのでデジタル化できると本当に楽をできるようになるのだけど、今のところ予算の問題などから棚上げ状態です。まあ中判デジタルバックでどこまで長時間露光ができるのかが心配ですが。ただデジタルバックを購入したいという思いがあるのはたしかです。自家手焼きをやっている身としてはデジタル化はデジタル暗室も整備することなわけで、かなりの投資になります。MacAdobe RGBに対応するモニタ、Photoshop CSと必要です。これにデジタルバック本体も加えると数百万円の投資になってしまう。。また広角側のレンズが足りなくなるのでDigitarかDigaronを買い足すことにも。