Mamiya Universal Press Black

一体いつのカメラだって感じですが。とにかく頑丈で信頼性の高いカメラだと思います。その分やや重い。

一眼式レンジファインダーでバック部とレンズともに交換式のシステムカメラ。マミヤユニバーサルプレスとの名称はバック部に様々なものが使えることからついたもの。マミヤプレスはシリーズになっているけれど、その最後のものにあたります。

マミヤプレスはマミヤプレスファンクラブなるサイトまであって、一部に熱狂的なファンがいる。このエントリーでアップしているとおりシステムが物凄く充実している。重いということを除けばスナップ、風景写真、人物撮影、複写と何でもこなせるだけのシステムです。

6×9の大画面を手軽に扱える上、レンズの選択肢も多く面白いカメラだと思います。6×9で気軽に(と言ってもやや重いので首からさげると肩が凝ります。)パシャパシャやれます。残念ながら露出計は装備していないので単体露出計を使うか、勘での露出決定になってしまいますが。それでもネガ撮りでは小さな入射光式露出計を持っておけばよいのでさほど苦にはならないと思います。近所のちょっと気になる風景を6×9で細密に撮りたい時などはこのカメラは最適です。操作性はセルフコッキングや二重露光・二重巻上げ防止の工夫は全く無いためにそれによる失敗はやりがちですので注意が必要です。私は撮った後は巻き上げず、撮る直前に巻き上げるようにしています。撮る度に巻き上げることにしている人の方が多いと思います。

また、ピストルグリップが取り付けられますが、私は取り外しています。フィルムホルダの右側がちょうどグリップの良い形状ですし、レンズにもシャッターレバーがあるのでそれを直接操作した方が手ブレしにくいと思います。またピストルグリップを取り外したほうが僅かながら軽量化にもなります。

私はレンズは50/6.3、100/2.8、127/4.7を持っています。
私は普段はシュナイダーの新しめのレンズを使っているだけにかなり厳しい品質基準で見ているのですが、50/6.3と100/2.8は優れたレンズだと思います。127/4.7は、、、ノーコメントw 絞ればちゃんとしますw 標準域のレンズは100/3.5、127/4.7もあるのにわざわざより贅沢な構成の100/2.8も用意しているあたりにマミヤ自身がどういう評価を100/3.5と127/4.7に下していたのか分かろうものだと思います。

100/2.8はどうやらプラナーのコピーのようです。というか標準域で明るいレンズを作ろうと思ったらダブルガウスタイプになるのは当然ですかね。私は3本持っています。安く売られていることが多いのでついつい買ってしまいました。ライカ判での40mmに相当する画角です。もっとも使いやすい画角だと思います。

50/6.3はいわゆるビオゴンタイプの変形。普通によく写ります。50/6.3がこのシステムの一番のウリのレンズだと思います。歪曲も無く、隅々までシャープ、さらに広角レンズなのに周辺落ちも少ないです。開放から使えます。ちょうどライカ判での20mmに相当するレンズですね。

いずれも古いレンズなだけにやや青く写ります。そのために階調がやや損なわれているように思います。全体に青みがかるのはプリントの際にほぼ補正できる程度なのですが、やはりその際にいくらか階調の損失があるように思います。これはあくまでもシュナイダーの現代レンズに比べての話で、非常に厳しい目で見てのことですが。あとは逆光に弱いそうですが、順光でしか基本的に撮らないのであまり気にしません。

完全機械式カメラなだけあっていまだにマミヤデジタルイメージングでサポートしています。同じマミヤプレスシリーズのカメラでも、初期のものでは既にサポート終了したものもあるようですが。レンズの分解清掃は一本1万円でした。僕の持っている個体は寒いとシャッターが渋ってしまうのがあるので近々オーバーホールに出す予定です。シャッターも含め完全機械式なだけあって分解清掃、調整で大抵は機能回復します。ユニバーサルプレスは距離計の調整などいまだ引き受けてくれます。1年ほど前に依頼した時は大丈夫でした。シャッターは精工舎のものです。

写真館を数十年やっているようなところではこのシリーズのカメラを使っていたというところも多いです。このカメラを首からさげてある写真店に入ったら店主に「私も使っていましたよ」と話し掛けられたことがあります。仕事カメラとしてもよく活躍したようです。私はその時代には生まれていないのでよく分かりませんが。今は写真館での仕事カメラは135判の一眼レフやデジタル一眼レフに置き換えられてしまい、一部の趣味人のカメラとなってしまいました。フィルムの高性能化で135判でもかなりの引き伸ばしに堪えるようになったこと、またデジタル一眼レフも安価で高性能になったためです。それでも優れたカメラであることは確かだと思います。

なおバック部は交換式なので、いずれデジタルバックに対応してくれることをちょっぴり期待しています。まあ甘いレンズが多いシステムですしあんまり期待しても仕方ないのですが。