Schneider Kreuznach, Makro-Symmar HM 5.6/120

  1. ディストーション、光量分布、構成図
  2. MTF図
  3. 物理サイズ
  4. Makro-Symmar HM共通カタログ

シュナイダーのマクロレンズ。MacroじゃなくてMakroというのが正しい銘のようです、ドイツ製なんで。構成図を見る限りオルソメターを基本としながらオルソメターの3枚目と4枚目を貼り合わせの2枚ずつに変更して更なる収差補正を狙ったものだと思われます。

実写すると、このままDigitarにもできると思われる高解像。ISO100のネガフィルムでもまだレンズの解像力に余裕を感じます。歪曲も無いと言って差し支えない。惚れ惚れする写り。ちなみに無限遠でも余裕は少ないものの4×5をカバーするだけは結像します。マクロレンズでは1:1でのイメージーサークルに対し、無限遠ではその半分が目安となります*1。公称では1:1で250mmですから無限遠では125mmが目安です。ですから150mm必要な4×5として無限遠で使用するのはメーカーとしては推奨しない使い方でしょうが。実際にシュナイダーによるデータシートには無限遠でのMTFイメージサークルなどのデータは記載されていません。本来は4×5レンズですが、中判メインの僕は6×8の中望遠レンズとしての使用も念頭において買いました。解像力が高いためブローニー用としても堪え得るレンズです。

接写シリーズを始めるに当たって景気付けに一本買ってみました。同じくMakro-Symmar HMの80mmとも迷ったのですが焦点距離の近いApo-Digitar 4.5/90*2を持っているので120mmにしました。マクロレンズらしく、味とか何にもないとにかく高性能なレンズです。撮影では被写体を写し撮ることに徹し、味付けは焼きですればいいと思っている僕には良いレンズです。その分面白味の無いレンズでもあると思います。面白いレンズを求める人には古典レンズの方が良いかもしれません。

ボケ味とかはよく分からないのでノーコメントです。

以下、作例。拡大撮影と遠景とを一枚ずつです。なおゴミとりが適当なのはいつもどおりなので気にしないで下さい。またいずれもフォトライフ経由でオリジナル画像にアクセスできます。それと色味がやや昭和風味なのはSuper G100の特性です。最新フィルムを使えば今風の写りになります。

Fuji Super G100 6×8判、1200dpi

上のものから一部だけ切り出し。4800dpi


Fuji Super G100 6×8判、1200dpi

1cm強フォールしています。

上のものから一部だけ切り出し。4800dpi

*1:135判のマクロレンズでは無限遠でもケラレが無いのが当然ですが、大判レンズでは違うのです。多くのものでは被写体:像の倍率が4:1~1:4である範囲を基本の使用範囲としていて、その外ではイメージサークルが足りなくても「ごめんね」程度です。

*2:実態はApo-Componon HMなので接写レンズとして最適化されています。ですが無限遠でも高性能です。