シュナイダーの(古めの)レンズの構成図
Componon-WAがビオゴンを基本にしたものだとは知らなかった。
ところでWikipediaではXenotarがオルソメターって書いてあるけど完全な誤り。Xenotarというのは前ガウス、後ろトポゴンの4群5枚のもののシュナイダーにおける名称。よくクセノタータイプなどと言いますね。多くの人に馴染みのあるレンズではニコンのMicro 55/3.5がクセノタータイプです。ちなみにSymmarをプラナータイプと書いているが、Symmarこそオルソメター。また古典的なプラナーでも4群5枚のものと4群6枚のものとがあるしプラナータイプというタイプ分類自体に違和感を感じる。間違えまくりですね。シュナイダーの大中判レンズでダブルガウスは私は知りません。明るいシリーズであるXenotarも上述の通りダブルガウスではありません。
プラナーの4群6枚のものは典型的なダブルガウスだし、ダブルガウスのことをプラナータイプと呼ぶことにしているのだろうか。まあ、ダブルガウスの元祖がプラナーだという話もあるので、プラナータイプと呼ぶのもたしかにありだとも思います。
Symmar(オルソメタータイプ)の記事を見ると、Symmarのこともプラナータイプと書いている。Symmarは典型的にオルソメター。ダブルガウスを基本にしているプラナーとは全く別物。オルソメターとダブルガウスは、ともに
- 標準レンズに使われている
- 古典的なレンズタイプであるということ
- 対称構成を基本としていること
が共通点だけど、むしろよく対比されるもの。オルソメターは
- 広いイメージサークル
- 画面周辺まで破綻の無い像を結ぶこと
が特長で、ダブルガウスは
- 明るくできること
が特長である一方で、オルソメターに比して
- イメージサークルが狭いこと
- 明るいレンズの開放近くでは像の流れがあること
が弱点。ダブルガウスとオルソメターの区別が付かないのならレンズマニアとして失格。さらに実際に撮る立場でも開放F値とイメージサークルに大きな違いがあるのにそこが気にならないなんて失格。撮影もやらないしレンズの設計にも詳しくない人が執筆しているんだろうなあ。こんなのシュナイダーの公開しているデータシートを見れば分かる程度のことなのに。
ちなみに僕はWikipediaはGFDLからライセンス変更したいようなので執筆する意欲はわきませんので修正はやりません。GFDLという非常に扱いにくいライセンスであることが良さだったと思っていたのに、それを捨てるなんて。GFDLは扱いにくいと言われるけれど、その扱いにくさは自由を得るための代価だと思っています。自由であるためには代償を支払うべきです。