C-41増感処理

今年の桜はPRO400(PN400N)を+1増感処理で撮りました。処理は堀内カラーに依頼しています。
相反則不軌については、+1増感で4分まではISO200、8分まではISO160、16分まではISO120扱いで撮ればだいたい良さそうです。増減感無しの通常現像では16分まではISO80扱い、30分まではISO80扱いで撮れるので、+1増感といっても長時間露光のもとでは1段しっかり感度が上がるわけではありません。そしてフィルムの各部分での露光の違いが増感によって拡大されるのでコントラストが強くなります。白に飛ぶところよりも黒が強くなる度合いの方がより強いです。黒を黒くし過ぎないようには増感での露出不足は避け、過剰になるくらいを狙って露出決定した方が結果が良いようで、+1増感でもせいぜい2/3段程度の増感と考えておいた方が良いのでしょう。と言ってもこれは1分を優に超える露光時間での話で、通常の1秒未満の露光時間では1段しっかり上がると考えておいてもよいでしょう。
ちなみにPRO400Hの+1増感は4分くらいでもISO150程度で扱った方が良いようで、増感への反応がPRO400より悪そうです。PRO400Hではシアン層の濃度が急激に上がるようで、その下のマゼンタとイエローの層がそれに追従しません。フィルター値も変えるべきです。シアン層の濃度が上がりやすいため、シャドウ部のシアン浮きが強くなりやすいので補償するために露光も多めに掛ける方が良いでしょう。
PRO400もPRO400Hも+1増感では粒状性は悪化はするものの十分に実用的な範囲内かと思います。PRO400もPRO400Hも感度の割には粒状性が良い方のフィルムですので、なおさら実用可能と考えられると思います。ISO800フィルムよりはずっと良いと思います。
ちなみに、PRO400Hですが、シアン層の感光がやたら速く進むようで、フィルター値は他のフィルムとはかなり変わるようです。青さが強調されやすいPRO400Hですが、フィルター値が間違っているというのはありそうです。それでもシャドウ部にシアンが浮きやすく、そこはかなり気になっています。僕個人としてはPRO400の方が好きですが、PRO400が廃品種となった以上は購入可能なPRO400Hの特性を知る方が有益で、初見の印象だけでPRO400Hの悪口ばかり言っている人には辟易とします。昔から感材の切り替えはどうしてもあったので出ている物の特性を知って過去の物との差分出しからどう使っていくか考えるものだと思います。