鈴木理策個展 "WHITE"
鈴木理策の個展。
5月28日から7月11日まで。銀座のギャラリー小柳にて開催中。
鈴木理策は写真において美なるものを志向し続けていると思う。
今回の展示"WHITE"にある写真は「美」に埋め尽くされていて、意味とか思想が入る隙間がない。
ギャラリーに置いてあった鈴木の写真についての評は「素人の無邪気な写真」「玄人の空疎な写真」に鈴木の写真を対置していた。しかし僕は鈴木の写真も空虚であると思う。空っぽの写真。"美"が全てであって空虚だ。空虚の代わりに空疎と言ってもいい。
プリントは1mほどある大きなものは90~100万, 30cmほどの小型のものは15万。結構売れていた。これだけの展示を見たら買いたくもなる。僕もこのプリントは欲しいなって思った。せめて今回の"WHITE"を写真集にしてくれたら買う。
展示の内訳は、雪の結晶を拡大撮影したものを数枚、雪面を撮ったもの、雪面から林を臨むもの、いわゆる雪景色を数枚、雪の中の林から一本の木を臨むもの、暗闇でフラッシュを焚いて舞い落ちる雪を撮ったものが数枚。いずれも雪の美しさを別の側面で捉えている。
雪の景色を撮ったのだから画面が白い。しかし白さにもよく見るとグラデーションがあって、ほぼ完璧といえるプリントの出来と合わせて、とにかく美しい。
最近、いい写真を見る機会が多い。素敵だ。開催期間はもう少しあるからもう一度見に行こうかな。
商品紹介に出している"熊野、雪、桜"は鈴木の写真集ではもっとも手に入りやすいし見ごたえも十分あると思う。
- 作者: 東京都写真美術館
- 出版社/メーカー: 淡交社
- 発売日: 2007/09/01
- メディア: 大型本
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