深沢次郎 "In the Darkness"

深沢次郎は、若手や新人、中堅の写真家、ポートフォリオ作品などを紹介するP.G.Iの企画展、P.G.I.10 Days Exhibitionで2004年に「空/In the Sky」を発表しました。
今回は、当時からすでに新たなテーマとして撮り始めていた「In the Darkness」と題した作品を展示致します。

古代より和歌の題材として詠まれ、慣用句や歌の歌詞としても登場するホタル。作者がホタルを撮ろうと思い立ったのは、「なんとなく」。「後から考えると米軍基地という日本のがん細胞のようなところでずっと写真を撮っていると『砂を噛んでいるような感覚』が常に残っていて、それを中和すべく向かっていったのかもしれません。」と言います。
ホタルは、およそ1年の生涯のうち大半を水や土の中で過ごします。幼虫時代の約11ヶ月と2週間の間に栄養を蓄え、成虫期間の約1週間〜2週間は幼虫時代に蓄えた栄養素のみでなにも口にせずに繁殖活動を行うそうです。雌のホタルは一度交尾をすると卵を産んだ後、死んでしまう、「種の存続という美しくも残酷なプログラム」をカメラにおさめ、閉じ込めて、「東京の家にそっと持ち帰る。そして暗くした部屋の中、大きな紙の上に『愛の光』を再現するのです。」と作者は言います。
深沢の持ち帰ったホタルの光の乱舞は印画紙の上ではまるで宇宙の彼方に見える銀河系のようでもあり、未確認飛行物体のようでもあり、観る者を不思議な感覚に誘います。

本展では2004年からハッセルブラッドにて撮りためたモノクローム作品約40点を展示致します。

http://www.pgi.ac/content/view/235/1/lang,ja/

Photo Gallery Internationalで始まったばかりの展示。

暗くかすかに写っただけの風景の中に煌びやかな蛍の光跡。さらに星の光跡を写し込んだもの。アウトフォーカスで撮られた蛍の光跡。

暗闇の中の蛍をさまざまな仕方で捉えている。

フォトグラファーズラボラトリーの人の記帳があった。プリントを担当したのかな。素晴らしいプリントだった。

それにしてもハッセルブラッドで真っ暗闇の中で蛍を撮るの、大変だろうけど楽しそうだなあ。。。

あとあまり悪意は無くてただの比喩なのかもしれないけれど癌細胞呼ばわりされた米軍墓地かわいそす。

深沢次郎 Jiro Fukasawa Photo Gallery