杉本博司+石上純也展

ギャラリー小柳にて。'09年8月29日まで。

杉本博司は、近年写真表現にとどまらず、積極的に建築設計を手がけてきました。2002年には「直島・家プロジェクト」の一環として、足利時代に起源をもつ護王神社の修復を行い、日本人の古代の神への信仰を再現したその設計は、従来の神社建築の形式にとらわれない建築として注目を浴びました。それ以降、本格的に着手した建築設計プロジェクトより最新の活動を、模型やパネルにてご紹介します。そして、1997 年より制作された作家の代表的な写真作品のひとつであり、自身がモダニズム建築の研究を始める端緒となった「建築」シリーズより、作品を展示いたします。

石上純也は、2008年に竣工した「神奈川工科大学KAIT工房」の模型を展示します。キャンパス再開発の一環として建設された同施設の設計にあたり、石上は、構造体として305本の全てが異なるプロポーションの断面と角度を持った華奢な柱を一見ランダムに見えるように配置することで、空間同士の曖昧な境界をつくりだし、フレキシブルな繋がりをもった開放された建築を実現しました。

本展は、東京の6つのコンテンポラリーアート・ギャラリーにより同時期に展開される、建築家による作品をテーマに企画した展覧会「ARCHITECT TOKYO 2009」と連動し、開催いたします。それぞれの建築家の多様な表現の魅力を、是非この機会にご高覧下さい。

Tokyo Art Beatの説明から。
杉本の展示では有名なサヴォア邸を無限遠の2倍で撮ったものがあった。またグッゲンハイム美術館の建築案として描かれたスケッチがあった。建物全体をカメラオブスクラとしたものだった。また護王神社の模型もあった。杉本の展示は写真と同じくどれも綿密なコンセプトに基づき、余計なものをなるべく削ぎ落としたもので、いかにもモダニストな彼らしいものだと思った。

石上の展示ではtabels as small architectureのスケッチと模型があった。