東京都写真美術館 コレクション展 "旅 第2部「異郷へ 写真家たちのセンチメンタル・ジャーニー」"

第1部に引き続き鑑賞。9月20日です。

「旅」と「写真」は、19世紀の写真の黎明期から常に関わり合いの深い関係でした。日本においても幕末に写真が渡来して以来、様々な視点で旅と関わり合いの深い写真が残されています。この展覧会では、写真術が発明された19世紀から現代に至るまで、「旅」というテーマのなかから生み出されたさまざまな表現を持つ作品を、異なる視点をもつ3つのアプローチにより構成。約半年間に渡って3回シリーズでご紹介いたします。

シリーズ2 回目となる第2部「異郷へ」では、1970〜80年代前半に発表された戦後世代の日本の写真家たちの作品で構成いたします。1970年に行われた旧国鉄のキャンペーン「ディスカバー・ジャパン」のコンセプトは「日本を発見し、自分自身を再発見する」でした。この時代の写真家たちは、旅をしながら、新たな日本の発見と、自分自身の作品の模索をしていきます。それはいずれも現実に写っている風景だけではなく、とても個人的な切り口であったり、傍観者のように醒めた視線で新しい社会の変化や不安を表現したものでした。何を撮るのか、何のために撮るのか、誰のために撮るのか、記録と観光としての「旅」ではなく、場所や目的のない「旅」をしながら、写真家たちは「写真」と「自分」と「社会」との関係を模索していったのです。

○出品数:約150点(予定)

○出品予定作家(順不同)
荒木 経惟(あらき のぶよし) 1940-
秋山 亮二(あきやま りょうじ) 1942-
森山 大道(もりやま だいどう) 1938-
柳沢 信(やなぎさわ しん) 1936-2008
須田 一政(すだ いっせい) 1940-
内藤 正敏(ないとう まさとし) 1938-
北井 一夫(きたい かずお) 1944-
牛腸 茂雄(ごちょう しげお) 1946-1983
土田 ヒロミ(つちだ ひろみ) 1939-

出品作家に挙げられている人たちの写真がそれぞれ10~20枚程度展示されていました。アラーキーのはセンチメンタルな旅からのもの。